・「石の上にも三年」という言葉に疑問を感じる
・時代が変わっていく中で必須なスキルを知りたい
・ホリエモンの稼ぎ方を知りたい
こんな方は、是非手に取ってみてください。
堀江さんの本を読んでいつも感じるのは、メディアのイメージとのギャップです。Newpicks編集長の佐々木さんが言うように、堀江さんは”良い意味で子供のような感性を持つ人”。世の中に溢れた固定概念を、インパクトのあるフレーズや例を使って再定義するのが上手だと思います。
タテの壁が溶け、垂直統合型から水平分業型へ
堀江さんの原動力である、「何万の仕事を同時に動かす力」が多動力です。いかにして多動力を身につけるかについて書かれているのが本書ですが、そもそもなぜ今、多動力なのか。
・垂直統合型: 1つの産業のあらゆるレイヤーが垂直に統合されている仕組み。テレビ業界がわかりやすい例。番組制作から電波の送信までテレビ局が担っている。寡占的でイノベーションが起こりづらい。
・水平分業型: インターネットが最たる例。電話もFacebookも動画も、全てスマホ上のアプリという1つのレイヤーの上に並べられている。ユーザーが流動的で、イノベーションが起こりやすい。
いま、あらゆる業界が、ありとあらゆるモノがインターネットに繋がることで、次々とイノベーションが起きる水平分業型になってきています。
今やフジテレビのライバルは日本テレビではなく、恋人からのLINEであったり、スマホのゲームになっています。
このような”タテの壁”が溶けているときに大切なのは、1つのことにしがみついていることではなく、あらゆる業界を次々と越えていく「越境者」の姿勢です。
バカ真面目から自分を解放させよう
堀江さんは、「洗脳を解け」とエッジの効いた発言をしています。「寿司職人が何年も修行をするのはバカ」と発言して炎上したのを目にした人は多いでしょう。
これは、情報伝達手段が限られていた時代ならまだしも、情報社会である今、未来のある若者が卵焼きを作るのに何年もの無駄な時間を費やすのをみていられない、ということです。
インターネットの時代は、「オープンイノベーション」化が進んでおり、情報や権利を囲い込むのとは真逆の時代です。
三つの肩書きを持てばあなたの価値は1万倍になる
本書で最も印象に残った箇所の1つです。
価値のある人材とは何でしょうか。ダイヤモンドで言うとわかりやすいのですが、ダイヤモンドが高価な理由は、珍しいからです。
・1つのことに1万時間かけて取り組む。そうすると、「100人に1人」の人材にはなれます。
1日6時間かけても5年かかります。
ここに、別の軸でさらに1万時間を突破すると、「100人に1人」×「100人に1人」で10,000人に1人の人材に。さらにもう別軸で突破すると、100万人に1人の人材になれます。
「この肩書きで一生食っていく」という人は、逆に自分の可能性を狭めて行ってしまっています。
全部自分でやらなければならないという思い込み
堀江さんはよく、「なぜそんなに早いスピードで本が出せるのか」と聞かれるそうです。ほとんどの本は編集者とライターが堀江さんにインタビューをしてまとめたものなので、10時間ほど話せば一冊になるそうです。
こういう話をすると、ゴーストライターだと騒ぐ人がいるそうですが、そもそも漫画もアシスタントとの分業制です。全部自分でやるのが美徳と考える人が多いですが、そうしていては、次々とあらゆることに手を出すことが出来なくなります。
たまに手を抜くことの大切さ
一つ一つのことに全力投球しなければならないと思う人が多いことにも苦言を呈しており、手作り弁当より冷凍食品のほうが美味しいし、子供も親がたまに手を抜いてお金を持たせてくれたほうが喜ぶ、と言っています。たまに手を抜くことで、自分のすべきことに注力できる、というのはまさにその通りです。
「完璧主義者」でなく、「完了主義者」になる。堀江さんは時折ストレートな物言いで炎上が起きますが、それは世の人の思い込みを解くために、キャッチーなフレーズを使っているからなのですね。
教養なき者は奴隷になる
自分の分身に仕事をさせるための「原液」
同じ24時間なのに、とんでもない量の仕事と面白いことを生み出す人がいる一方、少なくてつまらない仕事しか生み出せない人がいる。
この差は、「原液」を生み出しているかどうか。
堀江さんも、いつもテレビに出ていますね、と言われるそう。これは「原液」を作っているから。それを薄めたメディアが取り上げて、堀江さんの顔写真付きで放映するため、いつもテレビに出ているように見えるという仕組み。
「原液」を作るには教養が必要
やみくもに走り回っても原液は生み出せない。原液を生み出すには、教養を得ることが必須。
教養とは、表面的な知識やノウハウではなく、時代が変化しても変わらない本質のこと。疑問に思ったことを徹底的に掘り下げる癖を持つことが大切。
堀江さん自身は、逮捕された時に検察官の動きに疑問を感じて、検察について調べ上げ、歴史的な検察官の台頭を読み解いたそうです。
システムの本質と歴史の変遷を追った深い教養を身につければ、時代の先を読み、原液を作り、多くの人を動かすことが可能になります。
まとめ
・本書には、「既成概念にとらわれないで、とにかく動いて欲しい!」という思いを感じます。
・各章の最後には、必ず行動レベルに移せるチェックリストがあり、これだけでもかなり動いてみたくなります。
・「準備をしてから動こう」ではなく「やりたいことを見つけて、それに足りないものを集めていこう」という姿勢の大切さを痛感します。
・多動力を得る中で培った好奇心と集中力、失敗を肯定する力こそが、堀江さんの原動力だと感じました。
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2時間足らずでさくっと読めて、刺激を受ける本なので是非手に取ってみてください!
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