未来志向読書会in東京

読書体験を、もっとおもしろく。

思考停止という病を読んで、自分の頭で考えよう

約5分

思考停止という病を読んで、自分の頭で考えよう

思考停止という病 
奇才の認知科学者、苫米地氏が語る。思考停止はなぜ起きるのか?どのようにすれば脱することが出来るのか?

なぜ、日本人は自分の頭で考えられない?

端的に言えばバカだからです。そう始まっています。笑
優秀な学生でも3年働くと、自分の頭で考えられなくなり、思考停止の状態に陥ってしまいます。
思考停止していまう理由を脳と、社会的な視点の両方の視点から、ブレイクダウンされています。

①前例主義

まず1つは、前例主義が会社では蔓延しているからです。何かをしようとするときに、「以前はどうだったのか」「前任者はどうしたのか」などと、過去のやり方を引き継ごうとする姿勢です。
このような会議や打ち合わせを見たことはあるのではないでしょうか。
前例主義に陥ってしまうと、考えることがストップしてしまい、ルールに縛られてクリエイティブな思考が出来なくなります。

②知識不足

この本を読んで、なるほど!と思わされたポイントです。なぜ思考停止が起きてしまうのか。その原因の1つは、”知識がないこと”です。
何かを考えようとしたときに、そもそもの知識がないと、考える土台がないので浅く狭い考えに陥ってしまいます。絶対的な知識量の不足を指摘されています。
 
脳は知っているものしか認識出来ません。苫米地氏の自宅には、驚くほど希少なギターやスピーカーがあるそうです。家に訪問した記者は、知識がないので
何も反応しないのですが、よく知っている人は驚いて反応をするそうです。
人間の生活は、”スコトーマ(盲点)”だらけで出来ている。そもそも、知識がないと見えていない。その盲点があるから思考が出来ない。・・・このようなサイクルになっています。
結果として、「TPPって?問題点は何?論点は?賛成ですか?反対ですか?」と言われても、何も言えなかったり、どこかで見たような上っ面のコメントしか出来なくなってしまいます。

③ゴールがない

ゴールがないことも思考停止を生んでしまう原因です。ゴールを持つことで、意思のパワーが生まれ、思考を動かす原動力になります。
RAS(Reticular Activating System)という脳の網様体賦活系のフィルタリングシステムの話がされていました。
人間は、日々入ってくる情報をフィルタリングしています。全ての情報を受け入れていないからこそ、脳がパンクすることなく物事を見られているのです。
ゴールのない人の話はつまらない
ゴールのない人は、問題意識も生まれないし、RASも上手く働いていません。そのような人の話は、自分で判断されたものではないのでつまらないものです。
・ゴールを決めると、スコトーマが外れる
脳の盲点は、目標を持つことから始まります。良い目標は、現状から考えられるものではありません。魚にとっての目標は、”陸に上がりたい!”です。”速く泳げるようになりたい!”というのは、目標ではなく退化なんだそうです。
 
3つの思考停止を招くポイントの中で、具体的にどのようにしたら良いのか?が後半では紹介されています。
知識不足をどう解消するか?についてご紹介します。

②知識を得るためには?

読書をする

知識を得るために手っ取り早いのは、読書をすることです。「本を読むより人の話を聞くほうがいい」、という人もいます。人の話を聞くよりも、本を読む方が視覚を使うので、脳全体が動きやすいです。
視覚野は後頭葉という脳の後ろ全体にもおよぶ大きい領域を占めているので、本を読むことで海馬、側頭葉も使って処理されて、前頭前野にて構造化されます。効率的に知識を得られ、先人の知恵を得られるのが読書です。

抽象思考をする大切さ

知識を得るために、+αでオススメなことがあります。それは、”抽象思考をする”ことです。
苫米地氏の他の本にも、”頭の良い人は抽象度を自在に操って思考出来る”とあります。
 
言い換えると、ものごとを俯瞰的に見れるか。もしくは、目の前にあることだけを表面的に見るか。そのような違いです。
抽象度が低い人は、即物的で激安店やワイドショーの話ばかりします。一方、抽象度の高い人は、政治問題、経済問題、世界情勢、夢の話が出来ます。
高い抽象度を意識して、より高い抽象度でものごとを考える癖付けをするトレーニングも紹介されていました。
 
全体観を持って知識を得ることも、知識を得る効率がアップするやり方です。
脳は、もともと1つずつ処理をしているわけではなく超並列的に大量のものごとを扱って情報処理をしています。
 
例えば、学生が使う教科書は、本として考えると数時間あれば読みきれるようなものです。ですが、多くの学生は授業の進捗に合わせて教科書を読み進めていきます。
苫米地氏は、まず教科書を全部読んでから授業に参加していたそうです。こうすることで、全体観を持って、その中で今どの場所にいるのか、というのを把握出来ます。より俯瞰的な目線で授業に臨むことが出来ます。
本を読むときも、全体を最初に知ることで、知識を一気に得られます。同じジャンルの本を10冊ほど一気に読むことで、自分の中で全体観(ゲシュタルト)が生まれて、知識が体系的になる。このような読書法も紹介されていました。
 
なぜ、そもそも苫米地氏は思考停止に警鐘を鳴らすのでしょうか?それは、自分の頭で考えないと、誰かの考えで動くことになり、奴隷の人生を歩むことになるからです。
他人の価値観で生きるのは虚しいですよね。
 
また、最大の洗脳者は親だとも言われています。自分が持っている固定観念を超えて、しっかりと思考が出来るようになる必要がありますね!

読書会を開催中!

ご興味を持たれた方は、ぜひ会場でお会いできたら嬉しいです!

参加希望の方は、お早めにどうぞ!