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臨界期仮説に負けない!大人のためのビジネス英語学習法

約5分

臨界期仮説に負けない!大人のためのビジネス英語学習法

臨界期仮説

臨界期仮説とは

臨界期仮説(CPH: Critical Period Hypothesis)とは、ある一定の年齢(=臨界期)をすぎてしまうと語学の習得が著しく難しくなるという仮説です。

 

そこでみなさんが疑問に思うのは、“では、臨界期をすぎたあとは語学の学習は不可能なのか?”という点でしょう。

ご心配なく。臨界期仮説をすぎても語学の学習が不可能になるわけではありません。

ちょっとの工夫と心構えで、語学学習をより前向きに楽しく、学習効果をアップさせられるのです!

ゴールを明確にする

臨界期仮説に基づくと、臨界期は遅くとも13歳までにはやってきます。働き盛りの方、キャリアアップを目指している方。13歳はとっくにすぎてしまいましたが、それでもなんとか英語を身に付けたいと思いますよね。

 

そのときに大切にしてほしいのが、”ゴールを明確にすること”です。言い換えると、“なぜ英語を身に付けたいのか?その目的を明確にすること”です。

意外とこれが抜けている人が多いのです。なんとなくコンプレックスがあるからとか、なんとなくのスキルアップのためと思って始める人が多いのです。

それ自体は全く否定しません。ただ、ちょっとだけ”英語を身に付けて何をしたいのか?”を明確にすることが、いかに後々の英語学習を楽に、そして楽しくさせるのかを知ってほしいのです。

  • 海外の支社の同僚との電話会議をリード出来るようになりたい
  • 海外の取引先と通訳なしで交渉できるようになりたい
  • 昇進のために条件であるTOEICスコアを860にしたい
  • 字幕なしで映画を楽しく見られるようになりたい
  • 外国人の彼女・彼氏が欲しい

分かりやすくするため、ビジネスが関係ないものも混ざっていますが(笑)

同じ英語力アップというものは共通していますが、それぞれの目的・方向性は、全く異なるものだということがおわかりになりますでしょうか?

 

とりあえず英会話教室に行く、というのは待ってください。まずは目的を考える。学習する方法・手段を考えるのは必ず、その後です。

考えていた先に、自分が今時間を費やすのは英語ではない!と思う方もいると思います。そのときは、勇気がいるかもしれませんが、是非他のことに時間を使って下さいね。

発音にこだわらない

次に、臨界期をすでにすぎてしまった人が持つハードルがあります。それは発音です。遅くとも13歳までに聞いた音で、人間の耳は聞こえてくる音を取捨選択してしまいます。

聞こえない音は真似をして話すことが極端に難しくなります。それによって、ネイティヴの発音に近づけるのは年をとればとるほど、難しくなるのです。

興味深い調査があります。国外からアメリカに移住したときの年齢ごとに、英語力をテストするというものです。De Keyser氏の調査によると、アメリカに移住した年齢が高くなればなるほど、英語力が低くなるという結果でした。

より良い発音、文法で話すことを目指されるのは悪いことではないのですが、先ほど取り上げた目的に合わせて、自分の目標とするスキルを決めるのが大切です。

 

多くの日本人は、英語の発音に強いコンプレックスを持っています。しかし、アメリカなどのネイティヴイングリッシュスピーカーが多くいる国でも、移民がたくさんいるため日本人のイメージする”英語”を話す人はそれほど多くないのです。

ですので周りを気にせず、自分の目的に合った英語を目指しましょう!発音がたとえ悪くても、ビジネスの交渉やプレゼンを体当たりで頑張っている人の英語は、心に響くものがありますよ。

直結する学習法を選ぶ

具体的な学習法についてです。「とりあえず文法書から」「とりあえず単語帳」「とりあえず日常会話」という選択をする前に!参考にしてみてください。

一番良いのは、自分の目的に直結していて、実践的な学習法に取り組むことです。

“海外マーケティングの担当として、現地スタッフ・取引先にアピール出来る人材になる”が目的だとしましょう。求められるのは英語での商品紹介・アピール・海外の人との交渉・やりとりなどですね。

担当であれば、以下のような業務があるでしょう。

  • 新商品コンセプトについての英語のプレゼンテーション
  • 海外支社との週次電話会議のファシリテーション
  • 海外の展示会で商品の紹介と質疑応答
  • 海外とのメールのやりとり

ぜひおすすめしたいのは、このようないわば”イベント”に合わせて、実践的な練習をすることです。日常会話からはじめたり、文法の勉強から始めてしまうと実践に直結するのが難しいです。

理想としては、出来る限り実際のプレゼン・電話会議・展示会でのやりとりをリアルに想定することです。そして、練習をすることです。

中学高校での英語教育とは真逆のことをするので、最初は違和感を感じるかもしれません。

ですが、このように現場に直結している練習をすることで、アウトプットがぐっと良くなります。そしてすぐ実践出来ることによって自分の英語が向上している実感も湧き、良いモチベーションアップにもなります。

ここでのポイントは、単語や身につけるスキルが、かなり限定されたものになる点です。この点が、ただ闇雲に英語を勉強するのとは大きく違います。そのため、かなり効率よく目的に合った学習が出来るのです。

まとめ

臨界期を越えた大人たちには、以下のような工夫が必要です。

  • 目的を明確にする
  • 発音にこだわらない
  • 実践的な学習法を選ぶ

これらの工夫をすることが大切です。こうすることで、限られた時間・費用の中で最大のパフォーマンスをあげることが出来ます。ぜひ、そのプロセスを楽しみましょう!

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