本を読む人だけが手にするもの
藤原和博 – 著者紹介
リクルート初の社外フェローや、民間出身で初の公立の校長先生を務めた藤原さん。
なぜ、本を読んだ方がいいのか?本を読んだら何が手に入るのか?を豊富なエピソードと共に語る。
ロジックぎちぎちの文体より、エピソードや右脳的な表現の方が頭に入る方にもオススメ。(ロジックを超えた、謎の説得力があります。笑)
レゴ型思考が必要な時代
ジグソーパズルの時代から、レゴの時代になっている、という導入からこの本は始まります。
ジグソー型の思考とレゴ型思考。その違いは何だと思いますか?
今までは、ジグソーパズルのように、どのピースがどこにはまるかが決まっている時代でした。また、みんな同じように過ごしていても問題がない時代でした。
つまり、パズルのピースのように「正解」があるのが今まででした。
これからは、レゴ型の時代。「正解」よりも「納得解」を探さないといけない。そんな、正解のない今に、読書が価値を発揮します。
1/8の存在になれる!
藤原さんは、本を読むことで、1/8の人材になれると言っています。
・携帯ゲームをするか → 1/2
・本を読むか → 1/2
この、時間の使い方の違いが、1/2 × 1/2 × 1/2となり、1/8の人材になれる。同世代の中でも、突出することが出来ます。
脳のかけらを手に入れて行く
本を読むことで、著者の個人的なリアルな体験を得ることが出来ます。これを、藤原さんは「脳のかけら」を手に入れて行くと表現します。
もちろん自分自身の体験から全てを学べたら良いのですが、限られた時間の中では限界があります。
そこで、本を読んで他人の人生を疑似体験出来ることが、大きな価値を生みます。
特にオススメされているのが、自分の得意でない分野についての読書です。興味がなかったことについて、本を読むことで「味方」が増え、「見方」が増えていきます。
受け身の読書をやめよう
本を読むことだけを目標にすると、気分もだれてしまいますよね。受け身の読書ではなく、読むだけで終わらせないことが大切です。
目的意識を持って読んだり、本を読んで感じた内容を他人とシェアする。こうすることで、より本の内容で自分自身が「変化」出来るようになります。
文集の代わりに、読書新聞
藤原さんが校長を務めた学校では、卒業の文集の代わりに、”読書新聞”を発行するそうです。
定期的に本を読み、そこで感じたことを書く。文集は、それをまとめた集大成になるわけです。
書くネタの難しい文集よりも、自分の好きな本、フレッシュな感想の活きる、良いアウトプットと成長ログになりそうですね。
まずは1日10分の読書から
本は自分を「ワンステージ上」へ上げてくれるもの。藤原さんのオススメは、社会人は「まずは、毎日10分の読書を強制する」と良いと言っています。
数を読まないと、なかなか「脳のかけら」が繋がらない。本という著者の思考のパッケージが集まらないと、なかなか読書の価値も実感しづらくて、結果的に読書が習慣にならないからです。
おわりに
誰もが思う、「読書は大切だよね」ということに対して深掘りをしてくれている本です。
エピソードに溢れた読書本。読書は自分を”新たなステージ”に連れて行ってくれるものです。
自分の読書をもっと価値ある、好きなこととして捉えさせてくれる一冊です!